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青色の不死の星・現世
桃餅(もももちちょう)町
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商店街を歩く、ふたりの長身の男性。ひとりは、金色の瞳が印象的なにいすい。もうひとりは、黒髪に黒いレースの髪飾りをつけ、高級ドレスのような装いを纏った男性……顔はレースに隠れているが、その独特で芸術的な存在感は、通りすがりの視線を引きつけていた。彼の名は、かがや。ふたりは親友同士で、休日をのんびり楽しみながら、談笑していた。
かがや「この街で、大規模な美術展が開催されるらしい。世界中から私(わたし)の作品が集められて、展示されるんだ。」
にいすい「えっ、かがや君が監修してるってこと?」
かがや「……いや。私は関わっていない。あくまでシークレットアーティストとして、新作を一枚、匿名で……送ってみただけだ。」
そう言いながら、かがやは一瞬だけ口元をゆるめる。知っているのだ、自分の存在が、どれほど影響力を持っているかを……。かがやは正体不明で活動している、ビッグな画家だった。
にいすい「そ、それで?どうなったの?」
かがや「……本物だと騒がれて、開催が一時延期された。入館チケットの価格は引き上げられ、抽選倍率は現在、数百倍を超えている。」
その口調には静かな自信がにじんでいる。かがやはポケットから三枚のチケットを取り出す。
かがや「……その極めて入手困難なチケット、三枚だけ、特別に確保しておいた。あなたに譲ろう。」
さらりと、にいすいのバッグに滑り込ませる。
にいすい「え、えええ~!?いいの?ありがとう。三枚あるなら、マリリンも誘ってみる?興味ないかもだけど、珍しい機会だし、三人で観に行きたいよね。」
かがや「しかし、マリリンは……ラーメンのことにしか興味がなさそうだ。だが、それは素晴らしいことだ。ひたむきで、一生懸命で。」
にいすい「じゃあ、ラーメンの絵も展示してみるのはどうかな?少しは芸術にも興味出るかも。」
かがや「……面白い発想だ。しかし、問題がある。」
にいすい「問題?」
かがや「絵は……食べられない。」
にいすい「それもそうだね。」
ふたりは笑い合いながら、街角の居酒屋ののれんをくぐっていった。
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座敷童カレシILOVEラーメンに続く
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